【ネタバレなしレビュー】The Dark Queen of Morthelme-主人公は”魔王”-『ダーククイーン・オブ・モーソルム』



こんにちは、ジョイです!
今回は、インディーゲーム『The Dark Queen of Mortholme(ダーククイーン・オブ・モーソルム)』をご紹介します。舞台は、不気味な古城。プレイヤーが操作するのは、そこに君臨する“ダーククイーン”です。
やってくるのは、たった一人の勇者。最初はまるで赤子のような相手ですが、何度倒しても何度でも蘇り、少しずつ力をつけて再び挑んできます。
一方のダーククイーンは最初から強大な力を持ちながら、成長の余地はあまりありません。いわば、固定された力と成長し続ける力のぶつかり合いです。
戦いを重ねる中で、二人の関係は単なる敵対関係ではなく、少しずつ変化していきます。倒す・倒されるという構図の裏に、互いを理解しようとするような、奇妙な感情の交差が見えてくるのです。
シンプルな構造ながら、じわじわと効いてくるドラマ性と、繰り返しの中で見えてくる変化が、本作の大きな魅力となっています。
作品概要

開発 | Mosu |
価格 | 無料 |
ジャンル | RPG、インタラクティブフィクション |
プラットフォーム | itch.io |
プレイ時間 | 20分 |
日本語対応 | なし |
『The Dark Queen of Mortholme』は、”魔王サイドの視点で描かれる、ユニークなRPGです。

プレイヤー(右)と侵入してくる勇者(左)

一撃で倒される勇者
意気揚々と城に乗り込んできた勇者ですが、圧倒的な魔王の力に一撃で倒されてしまいます。ーーしかし、それで終わりではありません。勇者は何度も何度も蘇り、そのたびに少しずつ強くなって戻ってきます。

床のシミになっても戻ってくる勇者
単に戦い方が上手くなるだけではありません。勇者はやがて弓を手に入れ、さらに光の剣を振るうようになり、次第にその存在感を増していきます。

勇者の亡骸を抱きかかえる魔王
そんな繰り返される戦いの中で、敵同士だったはずの二人の関係は少しずつ変化していきます。ただの対立では終わらない、何とも言えない微妙な距離感が生まれていくのです。『The Dark Queen of Mortholme』は、戦闘の緊張感と不思議な感情の交錯を描いた、短編ながら印象深いゲームです。
良かったところ
独特な設定とストーリー展開
本作は、プレイヤーが“魔王”側としてゲームを進める点で非常に珍しい作品です。多くのゲームでは勇者が主人公ですが、ここでは強大で圧倒的な力を持つ“ダーククイーン”となり、何度も襲いかかってくる勇者を迎え撃ちます。
しかも、登場人物は基本的に二人だけ――魔王と勇者というシンプルな構成にもかかわらず、戦いの繰り返しを通して二人の関係性や物語に深みが増していくのが見どころです。単なる敵対関係を超えた微妙な感情の変化や成長が描かれ、物語に独特の味わいを与えています。
気になったところ
繰り返しの戦闘が単調に感じることがある
何度も同じような戦いが繰り返される構造はゲームのテーマと密接ですが、長時間プレイすると少し単調さを感じる場面もあります。
特にエンディング回収のために何度もプレイしていると、どうしても繰り返し感が強くなり、やや作業的な印象を受けることもあります。
ただ、この繰り返しの中で微妙に変化する勇者との駆け引きや関係性の変化が味わい深いので、単調さを感じつつもそこに魅力を見出せるかが楽しみ方のポイントと言えます。